【初心者向け】渓流釣りでリールに巻きたいラインの種類と3つの特徴

ルアーフィッシングにおいて、どの素材のラインを選択するかによって、釣果に差が出る場合があります。また、扱いが難しいラインを選んでしまうと、トラブルが多くなり釣りにならない場合もあるでしょう。

しかし初心者の方からすると、ラインはすべて同じに思えてしまい、違いがわからないという方も多いと思います。

この記事では、渓流釣りで使用するラインの種類とそれぞれの特徴を紹介していきます。各ラインのデメリットや、長さと太さの選び方も解説しているので、自分に合ったライン選びの参考にしてください。

渓流釣りでおすすめのラインの種類

渓流でのルアーフィッシングでは、主に以下の2種類のラインを使用することが多いでしょう。

  1. PEライン
  2. ナイロンライン

1つ目のPEラインとは、極細のポリエチレン(Polyethylene)素材の系を複数本編み込んで1本にまとめたラインのことで、2000年頃より新素材として登場しました。

当初は船釣りなどで使用されていたPEラインですが、最近では渓流や海でのルアーフィッシングなど、幅広いシチュエーションで使用されています。

2つめのナイロンラインは、ポリアミドというナイロン樹脂で作られた系のことで、柔らかく伸びやすい性質を持っています。ナイロンラインは汎用性が高く、初心者が最初に使う系としてもおすすめのラインです。

この他にも、フロロカーボンという種類のラインもありますが、渓流釣りで使うリールに巻くラインとしては実用的ではないことが多いため、ここでは割愛します。 

PEラインの特徴3つ

PEライン

PEラインは性質上ラインの伸びがないため、ヒット時の感度が優れており、アタリが繊細なトラウトフィッシングでは抜群の効果を得ることができるでしょう。その他にもPEラインには3つの特徴があります。ここでは、それぞれ詳しく紹介していきます。 

1.強度に優れている

PEラインはナイロンラインに比べ、引っ張りに対する強度が優れているという特徴があります。理由としては、PEは複数の細い糸を編み込んで作られていることがあげられます。

以下の表は、同社製品のPEとナイロンの強度を比較した表です。 

PEライン ナイロンライン
号数 強度(lb) 号数 強度(lb)
0.6 14.5(約6.5kg) 0.8 3(約1.3kg)
0.8 16.7(約7.5kg) 1.0 4(約1.8kg)
1.0 20.2(約9kg) 1.2 5(約2kg)
1.2 24.1(約11kg) 1.5 6(約2.7kg)
1.5 28.6(約13kg) 2.0 8(約3.6kg)

※1lb=450gで計算
(参考:Varivas|VARIVAS スーパートラウト アドバンス サイトエディション,VARIVAS マックスパワーPE X8

同じ号数(太さ)でも、PEとナイロンの強度(lb)を比べると、その差は4倍ほどの違いがあるのがわかります。 

2.耐久性が高い

PEラインはナイロンラインに比べ、耐久性が高いラインと言えます。PEラインに使用されているポリエチレンは、吸水性と吸湿性がほとんどない素材であるため、水を吸って劣化するといったことが少ないためです。

また、他の素材に比べ耐光性にも優れており、紫外線などによる劣化も少ないという特徴もあります。

このように、PEラインは寿命が長く、一度巻けば長期間にかけて使用することができるでしょう。 

3.PEラインを使用するにはショックリーダーが必要

ショックリーダーとは、キャスト時やフッキング時の急激な負荷を和らげたり、岩などに擦れた際の糸切れを防いだりするために、メインラインの先端に結束するラインのことです。主に、フロロカーボンやナイロンなど、PEラインと異なる素材のラインを使用します。

PEラインは単体で使用することはほとんどなく、先端にショックリーダーを結束する必要があります。PEラインの表面はツルツルしていて、直接ルアーやスナップに結んでも簡単に抜けてしまうためです。

また、PEラインはほとんど伸びないという特徴があるため、ショックリーダーがない状態でキャストやフッキングなどの動作をすると、負荷に耐えられずラインが切れてしまう場合があります。

このように、ショックリーダーはPEラインを使用する上では必要不可欠である点は、押さえておきましょう。 

ナイロンラインの特徴3つ

ナイロンライン

ナイロンラインはその扱いやすさにおいて、「釣りを始めたばかりの人にはうってつけ」といっても過言ではありません。ここではナイロンラインの特徴をそれぞれ紹介していきます。 

価格が安い

ナイロンラインは、他の素材のラインに比べ価格が安いという特徴があります。先ほど紹介したPEラインと比べても、価格が30%〜40%ほど安くなっており、まだ本格的に釣りを始めたことのない人でも購入しやすいでしょう。 

魚をバラしにくい

ナイロンラインはPEなどに比べ、魚をバラしにくいという特徴があります。なぜなら、ナイロンラインは伸張性が非常に高く、魚の引きに対してもラインが適度に伸びることで、衝撃を吸収してくれるためです。

ドラグ調整をする余裕のない人でも、ナイロンの性質がうまくラインにテンションをかけてくれるため、バラしにくく、落ち着いて魚とのファイトを楽しむことができるでしょう。 

ライントラブルが起きにくい

ナイロンラインはPEラインと比べて、しなやかで程よい弾力があるため、絡まりにくく、トラブルが起きいにくいラインと言えます。万が一絡まった場合でも解きやすく、深刻なトラブルには結びつかない場合が多いでしょう。

また、ナイロンラインは、ルアーやスナップを直結できるため、仮に系が切れた場合でもすぐ復帰することができます。PEラインのように、切れたたびにショックリーダーを結束するという手間がないため、糸切れ時のストレスが少なく済むでしょう。 

知っておきたいPE・ナイロンのデメリット

PEラインとナイロンラインには、使用する上で知っておきたいデメリットも存在します。それぞれのラインのデメリットも知った上で、自分に最適なラインを選びましょう。ここでは、PEとナイロンのデメリットをそれぞれ解説します。 

PEラインのデメリット

PEは磨耗耐性が低く、岩や木などに擦れてできた傷が原因で、系切れを起こしやすいというデメリットがあります。

また、PEはナイロンに比べ扱いが難しいというデメリットもあります。前述したように、PEにはショックリーダーを結束する必要があるため、ラインが切れた場合は毎回、
ショックリーダーを結び直さなければいけません。

ショックリーダーの結束は慣れれば時間をかけずにできますが、まだ釣りに慣れてない人がフィールドでショックリーダーの結束までを実践するのは難しいかもしれません。

初心者でも簡単にできる結束方法に「電車結び」という方法があります。結束部の強度はそこまで強くはありませんが、他の結び方に比べて簡単にできるため、併せて見ておきましょう。 

ナイロンラインのデメリット

ナイロンのデメリットとして、吸水や紫外線による劣化が早く、寿命が短いという点があげられます。そのため、シーズンを通して複数回ラインを交換する必要があるでしょう。

劣化したラインをそのまま使うと、頻繁な糸切れや強度の低下などが起こりやすくなり、場合によっては釣りにならないといったケースも考えられます。

ライン交換の目安は超高頻度にもよりますが、2〜3ヶ月に1回程度、釣行回数で言えば5回に1回の定期的な交換をおすすめします 

ラインの「長さ」と「太さ」の選び方

ナイロンライン

リールに巻くラインの長さと太さは、メインで使うラインによって変わってきます。ここでは、PEとナイロンをメインで使うことを想定し、それぞれのラインの長さと太さを解説します。

PEをメインで使う場合

渓流釣りでPEラインをメインで使用する場合は、150m巻きを購入して全部巻くことをおすすめします。PEは寿命が長く、傷などが入らない限りは長期間使用することができるため、長めに巻いても問題ありません。

次に、渓流釣りでのPEラインの太さとしては、0.6号前後が一般的と言われています。キャストに自身がなく、もう少し強度が欲しい人であれば、0.8号くらいからスタートするのがおすすめです。

PEに結束するショックリーダーは、0.6号のラインを使うのであれば1.5号〜2号前後でフロロカーボン素材のリーダーを選ぶと良いでしょう。

フロロカーボンは磨耗耐性が高く、擦れ傷などの外傷に強いとされています。また、重さもあるため、浮力の強いPEをしっかりと沈めることが可能です。

ナイロンラインをメインで使う場合

渓流釣りでナイロンをメインにするなら、75m前後を巻くことをおすすめします。これにより、万が一ライントラブルが起き、ラインを切らなくてはいけない状況でも安心できるでしょう。

ナイロンの太さは、強度と太さのバランスが良いラインを選ぶなら4lb、強度に余力を持たせたい場合は5lbと表記のあるラインを選ぶと良いでしょう。

最適なラインを選んで渓流釣りを最大限楽しもう!

ナイロンライン

渓流ルアー釣りで使用するラインは、PEとナイロンが一般的です。PEは感度が高く、繊細なトラウトのアタリにも瞬時に対応することができます。釣りに慣れてきて、小さなアタリを逃さず拾いたいという方にはおすすめです。

ナイロンは伸張性が高く、魚の引き抵抗のクッションになるためバラしにくいといった特徴があります。また、ライントラブルも少なく扱いやすいため、初心者の人にはおすすめのラインです。

自分のレベルやスタイルに合わせた最適なラインを選び、渓流釣りを最大限楽しみましょう。