新しいカーライフのスタイルとして、「バンライフ」が注目されています。バンライフとは、車中泊をしながら全国を移動するノマドスタイルのことです。

このバンライフの主役として活躍しているのが、ハイエース。ハイエースであれば、快適な車中泊ができます。

この記事では、ハイエースでの車中泊を楽しむために必要な内装のアイテムや、費用相場などを解説します。

色々あるハイエース

ハイエースというと、バンを連想すると思いますが、それ以外にも10人乗り仕様の「ワゴン」と「グランドキャビン」14人乗りの「コミューター」特装車の「ファインテックツアラー」も存在します。車中泊で選ばれるのは、もちろん、バンです。

ハイエースバンの3つのグレード

ハイエースの3つのグレード

ハイエースバンには、以下の3つのグレードがあります。

  1. スーパーGL
  2. DX
  3. DX”GLパッケージ

スーパーGLは、内外装のビジュアルを良くして、乗用車的な装備を追加した上級仕様のハイエースです。具体的には、見た目が良くなるカラー仕様のバンパーやメッキグリルを標準化。後部エリアのプライバシーガラス、オートエアコン、リヤクーラー&ヒーター、4スピーカーなどの機能も充実しています。シートも乗用車ライクなファブリックとなり、フロアマットや天井張りなどもしっかり装着されます。

DXは、最もベーシックな仕様で、現代車では必須となる装備を抑えつつシンプル化。但し、時代のニーズである衝突被害軽減ブレーキなどの基本となる先進安全運転支援機能はしっかりと備えています。まさに働くハイエースを象徴する存在です。DX”GLパッケージは、そのDXをベースに、主に外観をスーパーGLに近づけたものです。

このため、快適性を求める個人オーナーは、スーパーGLを選択する人が多いようです。またユーザーに人気が高い特別仕様車「ダークプライムⅡ」は、スーパーGLのドレスアップ仕様で、LEDヘッドライトに加え、メッキパーツやウッド調パーツなどが追加されています。車中泊のハイエースバンでは、移動中の快適性も重視し、後席スペースの利用も多いでしょうから、スーパーGLを中心に選ぶのが妥当かもしれません。

もちろん、車中泊をするという観点からすれば、ハイエースのグレードは関係ありませんが、移動中や移動時の休憩などの快適性を考量するならば、どのグレードでも、後席のクーラーとヒーターは選んでおく方が無難でしょう。

ハイエースバンの4つのボディタイプ

ハイエースの3つのグレード

ハイエースバンには、以下の4つのボディタイプがあります。

  1. ロングバン・標準ボディ・標準ルーフ
  2. ロングバン・標準ボディ・ハイルーフ
  3. ロングバン・ワイドボディ・ミドルルーフ
  4. スーパーロングバン・ワイドボディ・ハイルーフ

では、それぞれについて解説します。

ロングバン・標準ボディ・標準ルーフ

ロングバン・標準ボディ・標準ルーフは、ハイエースバンのボディタイプの中でもっともコンパクトとなる標準的な仕様です。ボディサイズは、全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mmなので、取り回しにも優れています。それでも荷室長が3000mmあるので、ダブルベッドもすっぽり収まるほどの広さがあります。これだけのスペースがあれば、大人2人の車中泊も可能です。また立体式駐車場の高さ制限もクリアできるので、日常利用もし易い仕様といえます。

ロングバン・標準ボディ・ハイルーフ

ロングバン・標準ボディ・ハイルーフは、ゆとりあるルーフの高さが特徴。ボディサイズは、全長4695mm×全幅1695mm×全高2240mmとなります。車内の高さが1590mmもあるので、車内での移動もし易くなります。ただ床面積は、ロングボディの標準ボディ車と同じなので、車中泊は2名が基本となります。ただし、立体駐車場の高さ制限の多くが2.1mか2.2mであるため、基本的には立体駐車場の利用はできないでしょう。

ロングバン・ワイドボディ・ミドルルーフ

ロングバン・ワイドボディ・ミドルルーフは、全長と車幅が拡大され、ルーフも標準ルーフとハイルーフの中間となるのが特徴です。ボディサイズは、全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mmとなります。荷室幅が1705mmまで広がり、ルーフも少し高いので、車内の快適さも増します。ボディサイズは大きくなるものの、最近のミドルサイズSUVほどなので、慣れれば取り回しに困ることはないでしょう。但し、高さ制限には注意が必要です。

車内は、クイーンサイズのベッドが収まるほどなので、車中泊は2名なら快適。最大3人までならば休むことが出来そうです。

スーパーロングバン・ワイドボディ・ハイルーフ

スーパーロングバン・ワイドボディ・ハイルーフは、ハイエースバンの中では最大級のサイズとなるもの。そのボディサイズは、全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmとなります。荷室長も、3540mmまで拡大し、室内高も1635mmまで広がるので、小柄な女性ならば、ルーフを気にすることなく車内を移動できます。ただ大型車サイズなので、運転や駐車には注意が必要。出先では、サイズに見合う駐車場を探すシーンもありそうです。

ハイエースで車中泊をするのにかかる内装の費用相場

ハイエースの3つのグレード

ハイエースで車中泊をするのにかかる内装の費用相場は、どの程度車中泊をするのかによって異なります。基本的には、長期間過ごすことになるほど、内装にかかる費用は高額になります。

ハイエースを車中泊仕様に仕上げる内装の費用相場は、どこまでの快適性や機能を車中泊に求めるかによって左右されます。当然、拘るほどに費用は高額になっていきます。

ただ寝泊りできればいいなら3万円以下でも

ただ寝泊りができればいいなら、最低限の就寝環境を整えればOKです。その場合、極端なことを言えば、ハイエースの荷台に布団を持ち込むだけでも可能です。ただし、ハイエースの床面は硬く冷たいので、クッション性の高いマットレスがあると良いでしょう。ここまでならば、かなり費用は抑えられます。

ただラゲッジスペース内にあるリヤタイヤハウスは車内幅を狭くするので、複数名の就寝だと圧迫感もあるでしょう。それを解消するべく、床面を一段高くするベッドキットも広く販売されており、これらは5万円台から見つかります。さらにベッドキットの下は、収納スペースにも活用できるので、車中泊を満喫するならば、ベッドキットを購入してしまうのも賢い選択といえます。もちろん、高機能なものは価格も高くなるので、自身の荷室の使い方に最適なものをしっかりと吟味して選びましょう。そして、同時に忘れてならないのが、快適かつ安全な就寝環境の確保。就寝設備と共に最低限必要となるのが、目隠し。周囲から就寝中の様子が見えないように、カーテンやサンシェードは必須です。全ての窓を覆うサンシェードでも、3万円程度で入手できるので、必ず用意しましょう。

長期間過ごすとなると、照明や冷蔵庫などの日常生活で使うような家電も欲しくなるはず。そのためには、サブバッテリーやインバーターを含む車載用AC電源システムの追加やポータブルバッテリーの購入などが必須となりますが、その環境を整えてしまえば、車中泊の快適度は一クラス上となります。

ハイエースで車中泊をするのにおすすめ!内装のアイテム10選

今回は、手軽にハイエースで車中泊をするのにおすすめのアイテムを紹介します。

  1. スリーピングマット
  2. エアーベッド
  3. 電動ポンプ
  4. モバイルバッテリー
  5. LEDライト
  6. インバーター
  7. クーラーボックス
  8. シングルバーナー
  9. カーテン・サンシェード
  10. 寝具・ブランケット

では、それぞれについて解説します。

1.スリーピングマット

スリーピングマットを使うことで、車内の凹凸を平らにし、睡眠が快適になります。ベッドセット導入前の気軽な車中泊では、快適な睡眠をサポートするアイテムとなります。

2.エアーベッド

エアーベッドは、しっかりしたベッドを作りたい方におすすめです。エアーベッドは空気を入れると厚く膨らみので、移動中はコンパクトに畳めるのも強み。ただ車室内のフラットとなるスペースとマッチするサイズのものを選びましょう。

3.電動ポンプ

電動ポンプは、エアーベッドに空気を入れるために使います。入れる空気の量が多いので、電動ポンプはセットと考えましょう。エアーベッドと電動ポンプは、合わせて1万円程度でもありますが、品質と内容を吟味して最適なものを選びたいものです。また電動ポンプがあれば、夏場のレクリエーション器具の空気入れとしても活用できます。

4.モバイルバッテリー

モバイルバッテリーは、車中泊においては必需品ともいえるアイテムです。LEDライト機能やコンパス機能を搭載しているタイプであれば、アウトドア用品としても活躍します。また大型のものは高価ですが、出力も大きいので、様々な家電を使うことにも役立ちます。

5.LEDライト

LEDライトは、省エネで明るいことから、一気に普及しており、誰しもひとつはお持ちでしょう。ランタン風のものは、車内全体を照らすのにも便利。まるでテント泊のような雰囲気も出るので、車中泊をより楽しく演出してくれます。

6.インバーター

インバーターは、直流と交流を変換する装置のこと。つまり、車内でAC100V電源の家電に電気を供給することができるようになります。ただし、手軽な車のシガーソケットに接続して使用できるものは、出力が弱く、疑似正弦波となるため、家電によっては使えないものもありますので注意が必要です。

7.クーラーボックス

クーラーボックスは、車中泊で食べ物を保存するのに必須のアイテムです。持ち運びがしやすいので、アウトドアでも役立ちます。

8.シングルバーナー

シングルバーナーは、調理器具のひとつで、温かい物を食べるのに便利です。燃料には、ガスボンベを用います。簡易コンロなので、小型のものならば家庭用の鍋やフライパンも使えます。但し、火災や事故を防ぐために車内での利用は厳禁です。

9.カーテン・サンシェード

カーテン・サンシェードは、セキュリティの観点からマストです。また夏の暑さや冬の寒さを和らげる効果もありますが、本格的な暑さや寒さを遮ることはできないので、おまけ程度の機能と捉えましょう。

10.寝具・ブランケット

寝具・ブランケットも、車中泊の必須アイテムです。季節によって、生地の素材や厚さを変えると快適に過ごしやすくなります。またサブバッテリーやポータブルバッテリーがあれば、寒い季節には電気毛布があると重宝します。

まとめ

ハイエースの3つのグレード

ハイエースでの車中泊は、旅行好きの方にとっては非常に楽しいものになるでしょう。予算をしっかりかければかけるほど、充実したバンライフが送れます。ただ本格的な装備を備えたハイエースを目指すならば、キャンピングカービルダーなどが販売する車中泊仕様の購入もひとつの手段です。もちろん、DIYで快適な車中泊仕様を作り上げる人もいるので、市販されるパーツ類を吟味して、自分だけの一台を仕上げていくのも楽しいでしょう。今回ご紹介した情報を参考に、より快適なバンライフを送っていただけると幸いです。