油圧と潤滑
エンジンオイルがエンジン内部を循環し
正常な潤滑を行っていることを知る指標
として油圧が用いられ、平成以前の車や
オートバイの多くにはには油圧計なるも
のがインパネのどこかに存在し、油圧が
下がると点灯するオイルランプは現代の
車にも装備されている。
ここでいう油圧はエンジン内部にオイルを
送る為の圧力であって、ブレーキの回路や
オートマチックトランスミッションで使わ
れるオイル自体が圧力を伝達し力に変える
一般的に言われるフルードの油圧とは表記
は同じだが、少し意味が違ってくるので
オイルとフルードについておさらいを
してみようと思います。
そもそも油圧って?
エンジオイルの評価基準として
「油圧が高くなった」
「油圧の立ち上がりが良くなった」
と計器による数値的なエビデンスは重要
であり、オイルだけでなくオイルポンプ
の能力やオイル通路設計にも左右される。
では、圧力が高ければ良いのかと言うと
ここで云う油圧はエンジンの回転数や油
温に左右されることなくオイルを各部ま
で充分に送り届けられるか?という観点
であり、こと潤滑においては送り届けら
れたオイルが高/低温、高/低速時問わず
如何に金属に留まれるか?というオイル
が持つ機能が重要となる。横道に逸れる
が、エンジンオイルの長所として「ドラ
イスタートに強い」と評価されている銘
柄はシリンダー壁にオイルをひっつける
性質と油膜保持力が極めて高いエステル
が使われたり、ギアやデフに使われるギ
アオイルには歯と歯が噛み合う際に発生
する衝撃と熱(厳密に言うとギアの山と谷
が滑りながら回転している)を吸収する機
能を添加剤によって持たせている。
話を戻して・・・
潤滑性能においてはオイルの性状が大き
く寄与するが、如何に安定して細部まで
届けるかが油圧=オイルポンプの役割で
ある。オイルもかき回されると泡立って
気泡が発生(キャビテーション)してしま
い油膜切れの原因となる場合もあり、安
定という点ではポンプや総オイル量も厳
密に設計されている為、入れすぎや不足
のない様定期的なオイルレベルの点検を
お勧めします。
次回はフルードという名で扱われるオイ
ルについて続けて参ります。