キャンピングカーが横揺れする原因と改善が期待できる4つのパーツ

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キャンピングカーのメンテナンス不足や、横風によって起こりやすくなる横揺れ。

キャンピングカーを運転している人なら、1度はこの「横揺れ」を経験したことがあるのではないでしょうか。キャンピングカーにとって横揺れは、事故の原因にもなるため、あなどってはいけない現象です。

キャンピングカーの横揺れには、主に5つの原因が考えられます。ここでは1つずつ詳しく解説します。

キャンピングカーを持っている人やこれから購入を検討している人は、安全なキャンピングカーライフを満喫するために、ぜひ参考にしてください。

キャンピングカーが横揺れする原因

キャンピングカーが横揺れする原因と改善が期待できる4つのパーツ

キャンピングカーが横揺れする原因を知ることで、横揺れのリスクを未然に対策できる場合があります。

スピードの出しすぎ

高速道路などでスピードを出しすぎると、キャンピングカーは横揺れが起きやすくなります。なぜなら、キャンピングカーは車高が高く、重心が上にあるため、カーブやちょっとしたハンドル操作でも遠心力が強くなるためです。

一般乗用車と同じ感覚でスピードを出してしまうと、ちょっとした急ハンドルや急カーブでふらついてしまい、横転するといったケースに繋がってしまうのです。

横風

キャンピングカーは一般の乗用車に比べ、横風を受けると横揺れする可能性が高くなります。理由としては、キャンピングカーの様な車体が大きい車は、風を受ける面積が広いため、横風の影響を受けやすくなることが挙げられます。

また、突風などの強い風を受けた場合、車の速度に比例して車体の遠心力が強くなり、ハンドルが取られてしまうケースもあるでしょう。

風速が同じ場合でも、一般の乗用車で感じる横揺れと、キャンピングカーで感じる横揺れは異なることが多いため、運転の際は注意が必要です。

東京海上日動|​​風が強いときの安定走行とは

(引用:東京海上日動|​​風が強いときの安定走行とは

タイヤの空気圧が不均衡

風も強くなく、速度もそこまで出していないのに横揺れする場合は、タイヤの空気圧が左右で均衡していないケースが考えられます。なぜならタイヤの空気圧が不均衡だと、空気圧の低い側が抵抗となり、真っ直ぐ走れないことがあるためです。

タイヤの空気圧は、走っていれば自然に減少します。まっすぐな道を運転している際に横揺れを感じたり、ハンドルがどちらかに取られてしまう場合は、タイヤの空気圧の点検をしましょう。

アライメント調整の不備

アライメント調整とは、車軸を適正な角度に調整することを意味し、具体的にはホイールの向きや角度を整えることを指します。

このアライメント調整がしっかりされていないと、左右のタイヤの動きが不揃いになり、横揺れを感じやすくなる場合があります。

例えばアライメントの構成要素の1つである「キャンバー角」は、直進の安定性とコーナリング性能に関係するアライメントです。このキャンバー角がズレてしまうと、真っ直ぐ走らなかったり、ブレーキ時に車が左右に流れたりといったことが起こりやすくなります。

ルーフに積荷を積載している

ルーフに積荷を積載している

ルーフに積荷を積載していると、横揺れをしやすくなる場合があります。これは、前述した通り、重心が高いと揺れやすくなるためです。

つまり、車のルーフに積荷を載せることで、重さによって重心が高くなり横揺れが発生しやすくなる、ということが考えられます。また、重心が高くなれば、一度揺れた後元に戻るのに時間がかかるといったことも起きるため、ルーフに積荷を載せて走行する場合は注意しましょう。

キャンピングカーの横揺れは事故に繋がる

キャンピングカーが横揺れをしてしまうと、事故に繋がる確率が高くなります。特に横風やスピードの出し過ぎ、足回り調整の怠りなどが原因で事故を起こすケースが多くなっています。

最近の例で言えば、YouTuberがキャンピングカーを運転中に横転するという動画が話題になりました。横風に煽られたことによる横揺れがきっかけでハンドルを取られ、車両が左右に振られることで遠心力が強くなり、結果的に横転事故へとつながっています。

横揺れが改善する7つのパーツ

横揺れが改善する7つのパーツ

キャンピングカーの横揺れを改善することで、事故のリスクを減らしたり、車酔いの対策もできる場合があります。ここでは横揺れの改善が期待できる4つのパーツを紹介します。

LSD

LSDとは、「リミテッド・スリップ・デファレンシャル」の略称であり、サーキット走行やドリフト走行、ドラッグレースや不整地走行などで駆動力を路面に効率よく伝えるために装着されるパーツの1つです。

LSDをキャンピングカーに装着することで、高速道路の運転において直進の安定性が増し、路面状況の良くないキャンプサイトなどでも駆動力の確保が期待できます。

LSDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

スタビライザー

スタビライザーはサスペンションに装着するパーツで、車体の傾きを抑えて走行を安定させる効果があるため、横揺れの改善に繋がる場合があります。

スタビライザーをキャンピングカーに装着することで、コーナリングなどで発生する横揺れや、大型トラックなどの追い越しによる横揺を軽減が期待できるでしょう。また、走行が安定するため、乗り心地の改善や車酔い対策としても期待できます。

ショックアブソーバー

ショックアブソーバーとは、地面からの突き上げを吸収し、車体を安定させるパーツです。キャンピングカーにはショックアブソーバーが既に装着されていますが、強化品に取り替えることで、車の乗り心地や走行性能の向上が期待できるでしょう。

理由として、ショックアブソーバーはスプリングの動きを抑制する、という点が挙げられます。車のサスペンションがスプリングのみだと、衝撃を吸収した際に振動を繰り返し、乗り心地や走行性能を悪くするのです。

ショックアブソーバーは、このような衝撃でできた余分な揺れを抑えられるため、乗り心地の改善だけでなく操縦性や安全性にも良い影響を与えます。

補助スプリング

補助スプリングを装着することで、直進性を改善につながる場合があります。これは、後輪に負荷がかかりやすいキャンピングカーの姿勢を補正できるためです。

構造上、居室部分が重くなりがちなキャンピングカーは、どうしても後輪に荷重がかかります。そうなると、前輪部分は浮き気味になり車の直進性は損なわれてしまうでしょう。

そこで後輪に補助スプリングを装着し、後ろ下がりな姿勢を補正することで、直進性の改善が期待できるのです。

パーツを装着する上での注意点

パーツを装着する上で注意したい点は、パーツを装備ただけでは「車としての限界点が上がる訳でない」ということです。横揺れなどの原因となる車にかかる負担が、感じにくくなったというのが正しいでしょう。

足回りにパーツを組み込んでも、急カーブや急ハンドルによる遠心力が小さくなることもなく、さらにはキャンピングカーの高い重心が変わることもありません。パーツを装着したからといって、車の性能を過信しないことが大切です。

安全運転で快適な旅を

安全運転で快適な旅を

キャンピングカーは横揺れの影響を受けやすく、横転しやすい車です。その横揺れが原因で、重大な事故につながる可能性も少なくありません。

そのため、横揺れの原因を把握し、事前に確認できる項目はチェックしておくと良いでしょう。そして横揺れの対策として、パーツの装着が適している場合もあります。しかし、パーツを組み込んだからといって、車の限界点が上がったり、特性が変わらないといった点は押さえておきましょう。

キャンピングカーを運転する際は、車の特性を理解し、常にスピードを抑え安全運転を心がけ、快適なキャンピングカーライフを送ってください。