いよいよ本格的な冬シーズン到来。急な積雪や凍結に備えよう!

いよいよ本格的な冬シーズン到来。ヒートテックにダウンジャケット、マフラーで寒さ対策は完璧!

でも車の準備は?

 

自動車というプロダクト、実は冬の寒さや積雪、氷結した路面が意外なほど苦手です。真冬でも安全に、楽しくドライブするためには、事前の準備が大切。

 

特に都市部や温暖な地域にお住まいの方は、急な積雪や凍結でパニックにならないよう、しっかり準備しましょう! この記事ではウインタードライブに向けて点検すべき箇所と、用意しておくべきアイテムを紹介します。

 

日頃の点検がウインタードライブを快適に

人も車も日頃の健康診断が大事。ということで、まずは冬前に自分で点検できるポイントから見ていきましょう。

もちろん、自動車整備や修理の技術がなくてもOK。運行前の日常点検はドライバーの義務でもありますよ!

■冬前に点検しておくべきポイント

【タイヤ】

タイヤの残り溝が少ないと、グリップ力が極端に落ちてしまいます。スリップサイン(残り溝1.6mm)が出ていないか確認し、必要なら新品に交換しましょう。

スタッドレスタイヤの場合は、たとえスリップサインが出ていなくても「プラットホーム」が露出していたら冬用タイヤとしての使用はNGです。また経年によってタイヤのサイドウォールにヒビが入っていないかも目視で確認しておきましょう。

【チェーン】

都市部だと使用頻度の少ないタイヤチェーン。金属タイプと非金属(樹脂)タイプがありますが、どちらにも製品寿命があります。金属チェーンの場合は、チェーンの線径が半分以下になっていたら交換の目安。走行距離にして1000km程度が限界です。チェーンが切れていないか、サビが出ていないかも確認しましょう。

非金属チェーンの場合は、一般的に製造から5年程度、走行距離500〜1000km程度が使用限界です(製品によって異なります)。

【ワイパー】

ワイパーゴム(ブレード)は寒くなると固くなります。両端が切れていないかチェックしましょう。低温でも固くなりにくい冬用ブレードに交換しておくと、一層安心です。

【バッテリー】

最近はメンテナンスフリーのバッテリーが増えましたが、それでも定期的な点検は必要。低温下では化学反応が鈍くなり、起電力が下がるためにバッテリー上がりを起こしやすくなります。

 

「オープンタイプ」と呼ばれる従来型バッテリーの場合は液面をチェックし、必要ならバッテリー液を補充しておきましょう。「シールドタイプ(密閉型)」の場合は、インジケーターで状態を確認しておきましょう。

「セルモーターの始動音が遅くなってきた」「メーターの表示が暗くなってきた」などの異変を感じたら、カー用品店や整備工場のバッテリーチェッカーで点検してもらいます。

【冷却水・オイル類】

ラジエターは、夏場に水を補充したことなどで濃度が薄いと、冬に凍結しやすくなります。最悪の場合はラジエター本体が破損してしまうケースも。冷却水の濃度が適切か、整備工場などで点検しておきます。

エンジンオイルなどのオイル類については、最近のマルチグレードオイルは性能が良いため、夏と同じ製品でもそのまま使えます。交換時期が来ていないか確認しておきましょう。

 

これがあれば雪道でも安心

備えあれば憂いなし、とはよく言ったもの。冬専用アイテムの準備がいざというときの安心感につながります。

ここでは「必ず用意しておきたいもの」と「できれば用意しておきたいもの」のふたつに分けて紹介します。

 

「必ず用意しておきたいもの」は滅多に雪が降らない地域に住んでいるor雪道にはたまにしか出かけない……という人でも必須のアイテム。「できれば用意しておきたいもの」は冬のドライブを快適に、安全にしてくれるアイテムです。

■必ず用意しておきたいもの

【スタッドレスタイヤorタイヤチェーン】

積雪路や凍結路を走る可能性が仮に1%でもあるのなら、スタッドレスタイヤかタイヤチェーンのどちらかは必ず装備しておきましょう。

 

タイヤチェーンは金属タイプ、非金属(樹脂)タイプ、布製など様々な種類が発売されているので、使用シーンに応じて選びます。いずれの場合も降雪下での装着となるので、手袋があれば便利。チェーン装着方法は製品によって異なり、雪が積もってから装着しようと思っても手間取ってしまうことが多いので、必ず事前に練習しておきましょう。

なお山間部など一部の道路では「チェーン規制」が発令された場合、スタッドレスタイヤを履いていても、チェーン(金属・非金属・布製のいずれも可)を装着していないと走行することができませんのでご注意を。

【毛布】

大雪によるスタック(タイヤが空転して動けなくなってしまうこと)、渋滞などで車内に閉じ込められてしまった場合の防寒具として、毛布が役立ちます。

毛布は防寒具としてだけでなく、いざというときの脱出道具にも。タイヤがスリップしてしまって発進できないとき、タイヤの下に毛布を敷けばグリップを回復できる可能性が高まります。ただし、タイヤに毛布を巻き込まないよう充分注意してください。

【解氷剤】

結露により凍ってしまったフロントガラスなどに、お湯をかけるのは絶対NG! お湯が冷えて分厚い氷になってしまうばかりでなく、急な温度変化によりガラスが割れてしまう可能性があります。

市販の解氷剤を使って氷を溶かしましょう。氷をかきとるスクレーパーがあれば作業がスピーディです。

■できれば準備しておきたいもの

【牽引ロープ】

車が深雪でスタックしてしまったとき、牽引ロープがあれば近くの車に助けてもらえます。ただし慣れていない方は被害を大きくしてしまう可能性もあるので、無理せずJAFなどのロードサービスに頼るのも一案です。

 

【スコップ】

車がスタックしてしまったときの脱出方法として最も有効なのが土木作業! 深雪に埋もれてしまったタイヤの前に雪でスロープを作ったり、フロア下でつかえている雪をかき出したりします。

土木作業するには、滑り止めのついた長靴も必須。凍結した路面でスタックしたとき、車外に出て転倒してしまう事故が多く発生しています。

【ブースターケーブル】

バッテリーがあがってしまったときでも、ブースターケーブルと救援車があればロードサービスの到着を待たずしてエンジンを始動できます。

ブースターケーブルをつなぐ順番は、「赤いコードでスタック車のプラスと救援車のプラスをつなぐ→黒いコードで救援車のマイナスとスタック車のマイナスをつなぐ」です。

まとめ

降雪路、凍結路は第一級のオフロード、と言われるように、たとえ雪国に暮らしている人でもウインタードライブは油断大敵です。

でも事前にしっかり準備しておけば、恐れることはありません! いざ、その場でアイテムを使おうと思っても使い方が分からない……といった事態にならないよう、自宅駐車場などで予め練習しておくことをオススメします。