【天体観測のススメ】お正月明け、しぶんぎ座流星群を見てみよう!

どうも、毎朝布団が恋しい編集長の高島です。みなさん風邪に負けない体づくりをしていますか?この季節は外に出る勇気を奮い立たせるのに時間がかかりますよね~。僕も一人ではなかなか難しいので、会社のメンバーや近所の友人を道連れにしてランニングをしています。寒い寒い言いながらも、誰かとなら耐えられるから不思議です(笑)。

さて今回は、そんな極寒の中でこそ思い出に残る【天体観測のススメ】。不特定多数が密になる心配も少なく、家族、あるいはカップルで楽しむのにピッタリな“天体観測”を推していきたいと思います。あなたもこの記事をきっかけに、またたく星空を眺めてみませんか?

■冬の天体観測がオススメの理由、その1【三密になりにくい】

「天体観測をする場所、どこを思い浮かべますか?」と聞かれたら、天体観測をしたことがない人でも山や海、湖、高原、キャンプ場などが挙がってくると思います。そう、物理的に密閉・密集・密接になりにくい場所ですね。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、天体観測は三密(密閉、密集、密接)になりにくいレジャーとしてにわかに注目を集めているんですよ。


夜空で星でイッパイで密に見えますが、その距離は何光年レベル。

■どこで見るのがオススメなの?

光害の少ない非・人口密集地かつ単純に人の往来も多くない場所が天体観測のベストスポット。全国各地に無数にありますが、特に有名なスポットを少し挙げますね(公式サイトへのリンク付きです)!

@美瑛の丘/北海道
…マイルドセブンのCMや、菅田将暉・小松菜奈がW主演した恋愛映画『糸』でもロケ地になった場所は天体観測でも有名。冬は極寒ですが、夏は過ごしやすい気候になります。

@小岩井農場/岩手県
…四季を通じて様々なアクティビティが楽しめる小岩井牧場。冬場はイルミネーションも楽しめます!

@堂平山天文台/埼玉県
…キャンプ・宿泊ができる施設も備えた天文台。首都圏からのアクセスも良く、特に秋から冬はとても綺麗な星空が見られます。月2回の観望会も行われています。

@丹沢湖/神奈川県
…神奈川きっての天体観測スポットですが、意外に穴場。周りを山々に囲まれているので光害が少ないです。

@スタービレッジ阿智(ヘブンスそのはら)/長野県
…南信州の阿智村はスタービレッジ阿智として有名。同村にあるヘブンスそのはらはスキーヤー専用のスキー場で、日中はウインタースポーツを楽しむ人で賑わっていますが、夜間には「天空の楽園・日本一の星空ナイトツアー」も開催しています(元旦には6時オープンで、初日の出も見られますよ!)。

@ふもとっぱら/静岡県
…関東~中部キャンパーのメッカと言っても過言ではないふもとっぱら。ゆるキャン△で取り上げられたことでビギナー層にも有名になりましたね!

@白川郷/岐阜県
…合掌造りでも有名な白川郷は標高の高い飛騨高山の山脈に囲まれており、天体観測スポットとしても抜群の立地。季節を問わず満天の星空が楽しめます。

@旭高原/愛知県
…名古屋から車で約1時間半とアクセスのよい旭高原。夏でも少し気温が低く、涼しい中で天体観測ができます。

@大台ケ原/三重県・奈良県
…原生林が多く残る大台ケ原。決してアクセスが良い場所とは言えませんが、南側が太平洋と開けた視界になることもあり天体観測にもピッタリ。年間降水量が多い地域なので予報に注意!

@休暇村(南淡路)/兵庫県
…宿泊施設では珍しく、大型望遠鏡(直径400㎜の反射望遠鏡)を備えた休暇村。毎晩スターウォッチングイベントが開催されており、「ウチの子にキャンプはまだ早いかな」というご家族も安心して楽しむことができますよ。

@四国カルスト天狗高原/高知県
…愛媛・高知の県境にあり雄大な自然が広がる四国カルスト天狗高原。天狗荘という宿泊施設には天体望遠鏡やハンモック、ベンチ、ストーブなどの備品もあり、専用の道具を持っていないライト層にも楽しんで頂けます!

@空の公園/大分県
…周囲が開けており、絶交の天体観測&天体撮影スポットである空の公園。写真愛好家も星空撮影に訪れるほど、条件が揃っています。

@国見ヶ丘/宮崎県
…雲海の名所として有名な国見ヶ丘ですが、夜は夜でまたたく星空が楽しめる穴場スポットでもあります。東側も開けているので、初日の出観賞にもおすすめ。

…などですね。上記に挙げた有名な天体観測スポットでもある程度の広さがありますし、観測する時間帯も人によってまちまちですから密にはなりません。友達同士なら車も分乗して乗ったり、現地で待ち合わせにすることでさらに密対策もできるようになります。


キャプション:ふもとっぱら(静岡県)。キャンプの聖地としても知られています。

現地に着いたら各々ディレクターチェアに座って空を見上げる、あるいはレジャーシートを敷いて寝転がって全天を眺める、という楽しみ方がおすすめ。多少汚れてもいいブランケットや毛布があれば防寒対策にもなり、星空を長く楽しめますよ。夏場には肌を露出せざるを得ず蚊に刺されてしまうことも多い天体観測ですが、気温が低いこの時期なら蚊が出る心配もありません(逆にめちゃくちゃ寒いので「これでもか!」というくらい暖かい恰好をしていきましょう。余談ですが、編集長は冬場に天体観測をする際は超極暖・ホッカイロ・ヒートテックタイツ・ヒートテック靴下・ダウンジャケット・ベンチコート・スヌード・ネックウォーマー・ニット帽…とモコモコの不審者ルックで天体観測をしています。街中だったら通報されると思う)。

■冬の天体観測がオススメの理由、その2【空気が澄んでいる】


キャプション:チリやホコリ、水蒸気が少なくなる秋冬は天体観測のシーズン。

寒い日は星がキレイに見えたり、空気が澄んで見えます。これは気温が下がることで空気中の飽和湿度量(空気の中に存在できる水蒸気の量)が下がるのが理由。暑いミストサウナの中が霞んでいるように、湿度が高ければ空の透明度が下がってしまいます。湿度が低ければ空気に不純物がなく透過率が高くなるので、必然的に遠くまでキレイに見えるようになるというわけです。

もちろん夏でも気温が下がりやすい標高の高い山や高原なら綺麗な星空が楽しめますが、より遠くへ出かける必要が出てきます。やはり綺麗にまたたく星や星座を楽しむなら秋~冬がオススメです!(※夏のご来光登山で天の川がきらめく星空と朝日を楽しむ、という記事も時期になったら公開したいですね♪)

■冬の天体観測がオススメの理由、その3【今ならしぶんぎ座流星群が見られます!】


今年は新月で当たり年!この先約2年、主要流星群は条件があまり良くないので見るなら今です!

年間三大流星群のひとつであるしぶんぎ座流星群。1月上旬にピークを迎え、三が日明けのお正月に多くの流星を見せてくれます。2022年は特に月齢が1とほぼ新月で月明りがなく、近年まれにみる観望の好条件。ピークになる時間が日の出前と少し惜しい感じもしますが、逆に言えば「ちょっと早起きしてみる」という見方ができるのは嬉しいポイントですね。もちろん、前後の時間も流星は観測できるのでちょっと夜更かしして夜空を眺めるも良し、です!寒さが厳しい季節なので、山奥や標高の高い場所へ行かずとも近所の公園などで見てみてもいいかもしれません。あとは好天に恵まれることを祈るのみ…!

ちなみに年間三大流星群の残り2つは、夏のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群。ペルセウス座流星群は12月のふたご座流星群や1月のしぶんぎ座流星群に比べると過ごしやすい気候(むしろ平野部や盆地では暑かったりして)に見られるので、「昔、夏休みに見た!」という人もたくさんいるのではないでしょうか?残念ながら2022年はペルセウス座流星群のピーク時が満月なので恵まれた条件とは言えませんが、もともと天体観測はこんなふうに当たりはずれがあるもの。次に条件がよさそうなのは2023年12月のふたご座流星群と、約2年ほど流星群を楽しめる機会が遠ざかってしまいます。今回のしぶんぎ座流星群が2022年の主要な流星群の中では一番の好条件になるので、ぜひお見逃しなく!

■冬の天体観測がオススメの理由、その4【流星群以外にも有名な星座や恒星が見られる】


都会でも目立つオリオン座。天体観測でも主役級の正座です。

オリオン座にカシオペア座、おおいぬ座、こいぬ座、おうし座にふたご座…秋から冬は小学校で習う星座が盛りだくさん。地球から見える星で最も明るいシリウスをはじめ、冬の大三角形を構成するベテルギウス、プロキオンなどの明るい1等星も見られるので見ていて楽しい季節です。星に関するうんちくや雑学(例えばオリオン座のベルトにあたる3連星の位置とエジプトの三大ピラミッドの位置関係が一緒、などなど)を仕入れて少しだけ教えてあげると「お父さん物知りですごい」「そんなことまで知ってるなんてカッコイイ」な~んて言われるかもしれませんね。

満天に広がる星を楽しみたいなら、天気予報だけでなく月齢カレンダーをチェックしておくのが必須。新月の日やその前後の日を狙うと月明りでほかの星が見づらい、ということがなくなります!もちろん「満月を楽しむ」という目的ならそれはそれでOKです!(上述した大台ケ原から見る月明かりは最高にキレイ!YouTuberの柑橘登山娘・ありちょんねるさんで紹介されています)

■冬の天体観測がオススメの理由、その5【楽しみ方がいろいろ】

またたく星を思う存分眺めるだけでも心が満たされる天体観測ですが、楽しみ方はただ空を見上げるだけではありません。

【天体望遠鏡で星をさらに楽しむ】


教科書やテレビでは学べない、本物のまたたきがそこにはあります!

トコトン天体観測を楽しみたいなら天体望遠鏡を使うのがおすすめ。肉眼で見ることができない星雲や土星・木星の輪、月のクレーターが見えたりするとやっぱりテンションが上がりっちゃいます。VixenやKenkoなどの天体望遠鏡はお求めやすい値段からプロ仕様まで揃っているので、まずはエントリーモデルを買ってみるのも良いですね。最近ではWebで申し込みができるレンタルサービスも充実していますので、お試しも気軽にできますよ。→レンティオで望遠鏡を探す

【STARWALKアプリでAR体験を楽しむ】

「天体望遠鏡はちょっとハードルが高いなぁ…」という方には、スマホアプリの『STAR WALK』が超おすすめ(※アプリ内課金あり)。


実際のカメラと連動もできるスグレモノ。天体観察アプリでは群を抜く存在です。

実際の夜空にスマホをかざせばカメラと連動したAR機能で「どの星がどの星座のなんという星か」がスグに分かります。「なぜ火星は赤いのか」という学術的な記事も読めますし、ISS(国際宇宙ステーション)や人工衛星がどこにあるかなども一目瞭然。ISSは大型の太陽光パネルを搭載しており、天気とタイミングが良ければ太陽光を反射して地上からも移動している様子が見られますよ(https://lookup.kibo.space/ を見て頂くとこの先いつどこを通るのかも分かります!)。星座早見表代わりに、お子さまの自宅学習&実践学習にも使っていただけるアプリですので、ぜひ使ってみて下さい。

【あたたかい食を楽しむ】

クッカーやバーナーが家にあればそれを持っていき、安全に配慮して簡単な調理をするのもおすすめ(もちろん火気厳禁の場所かどうかキチンと確認しましょう!)。


キャプション:寒い夜中にカップ麺。これがあるのとないのでは大違いです。

気温が低すぎるとガス缶などの燃料が使えないこともありますので、OD缶(アウトドア缶)が使える器具があればそちらを使用しましょう。袋麺やカップラーメン、カップスープ、お汁粉などは手軽に楽しめますし、ホットサンドメーカーでちょっと凝ってみるのもアリです。暗い場所での活動になる為、周りが気にならない程度の明るさのランタンなどの照明もあると良いですね(広い場所で他に天体観測をする方がいなければ車のヘッドライトをフォグランプにして照らしてもOK)。
「特別な調理器具なんて持ってないんだけど」という方は、暖かいコーヒーや紅茶をタンブラーや水筒に淹れて持っていくだけでも全然違いますよ♪火が使えない場所ならお湯をタンブラーに持っていって、現地でカップラーメンなどを食べる、という手もあります。

【時間や機材があれば撮影も】

すこし上級者向けに思うかもしれませんが、一眼レフなどをお持ちなら天体写真を撮影するのも楽しいですよ。


一昔前までは高価な機材とそれを使いこなす高度なテクニックが必要でしたが今ではリーズナブルな天体撮影機材も増えてきました。

カメラによっては特別な機材がなくても気軽に挑戦できるようにもなってきました。星空の撮影に挑戦するなら光を数秒以上カメラに取り込む為に、シャッターを数秒以上開け続けなければなりませんので、固定する三脚が必須アイテム(自由雲台付きならなおおススメ!)です。カメラ本体のシャッターボタンを押す必要がなくなるリモコンもあると便利です!

その他にも、ポータブルスピーカー(スマホでも十分)を使って周囲の迷惑にならないボリュームで音楽を楽しんだり(星に関する曲はとっても多い&ロマンチックなんですよね)するのも良いですね♪恋愛の話をしたり、夢の話をしたり、普段は照れくさくてできない話ができるのも星空のもとで語り合ういいところ。デートはもちろん、親子の絆を深めたりするシチュエーションにはピッタリです!

 


真面目に寒いので、防寒対策はお忘れなく!備えすぎくらいでちょうどいいのが冬の天体観測です。

釣りなどのレジャーと同じように、季節によるチガイが楽しめるのも良いところ。夏はキャンプや登山と一緒に、冬はスキーやスノーボードなどのウインタースポーツと一緒に楽しんだりできるので是非四季折々の夜空を楽しんでほしいなと思います。No密、だけど濃密な時間が過ごせるのが天体観測の懐の広さ。人に迷惑をかけないこと、そして安全に気を付けて頂ければ他にも楽しみ方が幾通りもあります。寒暖の差が激しい季節になってきましたのでくれぐれも防寒対策はバッチリして頂き、星空を楽しむひと時の贅沢を味わってください。※最後に深夜、寝不足になっても家に帰るまでが天体観測!運転には十分お気をつけ下さい!編集長でした。